イエスの再臨(2/5)

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キリスト教徒は現在イエスが生きており、多くの宗派では彼が活動中であると信じています。また彼らは、彼がすでに復活されられており、二度と死すことはないと信じます。しかしムスリムの見解は、彼はもともと死んでおらず、依然として生きているというものです。クルアーンの中で、ユダヤ教徒がこのように主張していることが述べられています。


 “わたしたちは神の使徒、マリアの子イエス・キリストを殺したぞ。”

しかし神はそれを否定し、このように節は続きます。


 “だが彼らが彼(イエス)を殺したのでもなく、また彼を十字架にかけたのでもない。ただ彼らにそう見えたまでである。…いや、神は彼を、御側に召されたのである。神は偉力ならびなく英明であられる。”(クルアーン4:157−8)


この「召された」という表現は、文字通り物理的に地上から天国へと昇天したことを指します。そして彼は物理的に天使たちの翼に支えられて天国から地上に降臨するのです。キリスト教徒は彼が昇天した際の年齢を31〜33歳だったと推定しています。なぜなら共観福音書は、彼の人生の内の1年間を叙述しているとされているからです。ヨハネの福音書は、宣教から3年間の人生を伝えているとされています。その中でルカはこのように述べています。

「イエスが宣教を始められたときはおよそ三十歳であった。イエスはヨセフの子と思われていた…さて、イエスは聖霊に満ちて、ヨルダン川からお帰りになった。そして、荒れ野の中を“霊”によって引き回され…」(ルカ3:23、4:1)


ムスリム学者はそれに同意します。アル=ハサン・アル=バスリーは述べています。「イエスが昇天した際、彼は34歳だったが、サアド・ブン・ムサイイブは『彼は33歳だった』と言っている。」1

 “啓典の民の中、彼の死ぬ前にしっかり彼を信じる者は一人もいなかった。審判の日において、彼は彼らにとって(不利な)証人となろう。”(クルアーン4:159)


ここで、神はイエスの昇天後、彼の死ぬ前に彼を信じる「啓典の民」について語っています。ここでは、彼はまだ死んでいないことが示唆されています。事実、彼はその使命を達成するまで、神の元で保護されているのです。神はクルアーンにおいてこのように述べています。


 “神は(人間が)死ぬとその魂を召され、また死なない者も、睡眠の間(それを召し)、かれが死の宣告をなされた者の魂は、そのままに引き留め、その外のものは定められた時刻に送り返される。本当にこの中には、反省する人びとへの種々の印がある。”(クルアーン39:42)


また、このようにも述べられています。

 “かれこそは、夜間あなたがたの魂を召される方で、あなたがたが昼間行ったことを知っておられる。またかれは昼間、あなたがたを目覚めさせ、定められた(あなたがたの生活の)期間を全うなされる。それからあなたがたはかれの御許に帰る。その時かれは、あなたがたに自分が行ったことを告げ知らせる。”(クルアーン6:60)

「定められた期間」とは、神にとって周知かつ確証されている私たちの人生の日数のことを指します。「召される」という言葉は、その使徒が不信仰によって脅迫を受けたときの、イエスに対する神の約束のことです。クルアーンは、神がイエスにこう告げたことを教えます。


 “われはあなたを召し、われのもとにあげて、不信仰者(の虚偽)から清めるであろう。”(クルアーン3:55)


それゆえ、神がイエスを十字架刑から救ったとき、神の約束は果たされ、イエスが地上に戻ってきてその使命を全うすれば、もう一つの約束も果たされるのです。それがマリアの受胎告知における約束であったことも啓示によって確認されているのです。

 


 “本当に神は直接ご自身の御言葉で、あなたに吉報を伝えられる。マリアの子、その名はイエス・キリスト、彼は現世でも来世でも高い栄誉を得、また(神の)側近の一人であろう。彼は揺り籠の中でも、また熟年2してからも人びとに語り、正しい者の一人である。”(クルアーン3:45−46)


30代前半は熟年層とは言わないことから、この予言は彼の再臨に際して人々に語ることを示唆しています。よって、この二番目の約束(彼が死ぬ前には、みな彼のことを信じるというもの)は、彼の再臨における第二の使命ということになります。彼が到来すると、彼の年齢は彼が去った時と同じで、彼はその後40年間を生きることになります3。預言者ムハンマド(神の慈悲と祝福あれ)はこう述べています。

「私と彼(イエス)との間には預言者は現れなかったのであり、彼はやがて降臨するであろう。彼は・・・40年間に渡って世界に留まるであろう。その後彼は死に、ムスリムたちは彼のために葬儀の礼拝を捧げるであろう。」(アブー・ダーウード、アフマド)


イエスは終末の間近に再臨します。彼の降臨自体が終末が近いという大きな兆候なのです。クルアーンはこのように述べています。


 “彼(イエス)は、(審判の)時の印の一つである。だからその(時)について疑ってはならない。そしてわれに従え。”(クルアーン43:61)


彼の到来後、二、三の間違いようのない兆候が続きます。獣が出現4し、地上からは信仰者が絶滅5して不信仰者のみが残り、そして西から太陽が昇る6のです。


イエスの再臨もそのうちの一つである10の大いなる兆候は、一つのハディースに要約されています7

「終末は10の兆候を見るまでは訪れない。煙、偽メシア、獣、西からの日の出、マリアの子イエスの降臨、ゴグ・マゴグ、三つの揺れ―一つは東、一つは西、そしてもう一つはアラビア半島から―、そしてその後アデン方面から炎が立ち上がり、人々を最後の会合の地へと追いやるのだ。」(アフマド)

 


神が我々を不信仰からお守りになり、終末の瞬間を見届ける者たちの一人とはなさいませんように。



Footnotes:

1 Ibn Kathîr: Stories of the Prophets; The Story of Jesus, Elevation or Crucifixion, p 541

2 クルアーンにおいて使用されている言葉は「熟年」や「老年」を意味するカハルです(Al-Mawrid al Waseet Concise Arabic-English Dictionary)。 またMokhtar Al Sihhah Lexicon辞書によると、35歳以上で白髪持ちのことを指します。

3 Faslu’l-Maqaal fi Raf’i Isa Hayyan wa Nuzoolihi wa ’Qatlihi’d-Dajjal, p. 20

4 クルアーン27:82において予言されています。“彼ら(不正者)に対し御言葉が実現される時、われらは大地から一獣を現わし、人間たちがわが印を信じなかったことを告げさせよう。”

5 預言者はこう言っています。「そのときになると、神は人々の腋の下を吹き抜けるような心地良い風を吹かせ、それはすべてのムスリムの生命を奪い、邪悪な者たちしか生き残らず、彼らはロバのように姦通をし、彼らに終末が訪れるのです。」(サヒーフ・ムスリム)

6 預言者はこう言っています。「最初の兆候とは西から現れる太陽と、昼前に人々の前に現れる獣であり、それらのうちの片方が先に起これば、もう片方が直ちに続くでしょう。」(サヒーフ・ムスリム)

7 この伝承における兆候の数々は、実際に起きる順番とは異なります。

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