イエスの再臨(3/5)

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マハディーと偽メシア

再臨の際には、終末間際にマハディー1、そしてマスィーフ・ダッジャール(アラビア語で偽メシア)が現れ、二人には試練と苦難が関連付けられます。再臨におけるイエスの主要な任務とは、偽メシアから世界を守り、神の法の元に再統一をすることなのです。


偽メシアが到来する前には、指導者として全てのムスリムを統一するマハディーが現れます。この人物に関し、預言者ムハンマド(神の慈悲と祝福あれ)は終末の前、彼の部族から彼の名前(ムハンマド・ブン・アブドッラー)を持つ人物がアラブを統治し、抑圧と不正の始まる前の7年間に渡り地球を公正さと平和でもって満たすと述べています2。さらに彼は、マハディーがムスリム国家によって支持されるとも述べています。

 


「私の集団の人々は真実のために戦い続けることを止めず、復活の日まで優勢であり続けるだろう。そしてマリアの子イエスが降臨し、彼ら(ムスリム)の指導者はこう言うだろう。『おいでください。そして我々の礼拝を先導してください。』」(サヒーフ・ムスリム)


それゆえ、イエスの再臨前にムスリム国家は預言者の子孫である人物の元に宗教を防衛し、彼はイエスの降臨によって中断された礼拝の先導を要請します。彼がムスリム国家を率いる期間については7年以内とされますが、的確にはどれほどの長さなのかは分かっていません。明らかなのは、マッカを攻撃しようとする軍勢が地中に飲み込まれたあと、彼はしぶしぶ、群がる人々の指揮官になるということです。

 


預言者は述べています。

 “カリフの死後、不和が発生し、マディーナの民の一人がマッカへと避難するであろう。マッカの民の何人かは彼の元に来て、角3とマカーム4の 間で、彼の意思に反して彼を擁立し、彼に忠誠を誓うであろう。すると彼に対する遠征軍がシリアから派遣されるが、それはマッカとマディーナの間の砂漠に飲 み込まれるであろう。人々がそれを目撃すると、シリアの最も敬虔な人々、そしてイラクの最良の人々は彼のもとを訪れ、角とマカームの間で彼に忠誠を誓うの である。”(アブー・ダーウード)


「また、いくつかの軍事行動があるが、そのうちの最たるものは内在分子5に対するものであり、次に外在分子に対するものがある。世界中のムスリムの最強の兵士によって構成された軍隊がマディーナから進軍し、アッ=シャーム6の西側諸勢力からの侵攻に対抗するであろう。」

 


「彼 らが配列すると、ローマ人たちはこう言います。『我々と、我々の中から捕虜を取った者たちの間に立ち入ってはならない。共に彼らと戦おう。』するとムスリ ムたちは言います。『いえ、神にかけて、我々は決してあなたがたの側にも、または我々の同胞の側にも立ちません。あなたがたが彼らと戦うことの出来るよう に。』」(サヒーフ・ムスリム)


戦闘は3日間、すべての軍勢に多大な犠牲が出るまで続き、4 日目にムスリム軍の残りの勢力が西側諸勢力を打倒し、イスタンブ-ルを征服します。兵士たちが戦利品を収集しているときに、偽メシアが到来し彼らの元に現 れるという嘘の噂が広まるため、彼らはシリアに向かいます。彼らがダマスカスに到着すると、マハディーは偽メシアの到来に備えた戦争の支度をし、偽メシア は実際に姿を現すのです。


彼は40日間に渡って地上に留まります。しかし、この40日間は特別なものです。その初日の昼夜は丸一年間続き、二日目は丸一ヶ月間、三日目は丸一週間、そして残りの37日間は通常通りの日々です7。この最後の37日間において、恐らくイエスは現れるでしょう。なぜなら、彼は降臨した直後に偽メシアを殺すからです。


偽メシアは東から現れ、それはシリアとイラクの中間地帯8で あり、彼の出現は多岐に渡る様々な問題と不正を引き起こします。彼は風に流れる雲のように多方面へと移動することができ、ある人々の前に現れたかと思う と、たちまちその他の人々の前にも現れるのです。彼は自分に従うよう人々を招き、その招きに応じて彼への信仰を確証する者へは空から雨を降らせて報酬を与 え、それは農産物や家畜への恵みとなり、彼らは繁栄します。彼の招きを拒否する者は干ばつ、飢饉、そして富の損失によって損害を被ります。彼はどこへ行こ うと、その地の財宝に呼びかけ、それらは蜜蜂の群れように彼の元へと集まってきます。また彼はある男を真っ二つにして殺しますが、彼をたちまち生き返らせ ることが出来るのです。


イエスの降臨と偽メシアの死

ここから見て取れるように、偽メシアには人々を確信させ、道を踏み外させる様々な奇跡が与えられており、大勢が彼に従います。複数のハディースには多くの人々、特にユダヤ教徒たちが自らを神の代理人と主張する彼を本物のメシアと信じることが言及されています9。しかし彼はすぐに自らが神の力であると主張し出し、やがて神自身であると主張します10。彼は世界中の大部分を支配し、マハディーと対峙するためにダマスカスへ向かいますが、その時に真のメシアであるイエスが降臨するのです。

 


「神 がマリアの息子キリストを遣わすとき、彼はダマスカスの東側にある白いミナレットのもとに、サフランで軽く染色された二着の衣服をまとい、両手を二人の天 使の翼に添えて降臨するだろう。彼が頭を垂れると、汗の雫がこぼれ落ち、彼が頭を上げると真珠のような雫が散らばる。彼の匂いを嗅いだ不信仰者はすべて死 に、彼の息は彼が見渡すことの出来るところまで届くのだ。」(サヒーフ・ムスリム)

別のハディースにはこうあります。

 


「礼拝の時刻になると、マリアの子イエスは降臨し、彼らの礼拝を先導するだろう。神の敵は彼を目にすると、あたかも塩が水に浸かったかのように、溶け始めるであろう。」(サヒーフ・ムスリム)

前者のハディースは、その続きでリッダで彼らが対峙することに言及します。


「彼(イエス)は偽メシアを追いかけて、リッダの門で彼を捕らえ、殺すであろう。」(サヒーフ・ムスリム)

イエスは神によってもたらされた槍を用いて彼を殺し11、誘惑の影響力は消え去ります。

「そして、神によって保護されていた人々はマリアの子イエスの元を訪れ、彼は彼らの顔を拭い、彼らの楽園における階級を告げ知らせるのだ。」(サヒーフ・ムスリム)

 


こ れは審判の日の審判に関する知らせではありませんが、神によってイエスに与えられた知識です。これらの人々は、キリスト教の「携挙」における選民たちでは なく、彼の再臨を取り巻く動乱の時代を生き抜いた人々です。そしてこれはメシア再臨に関わる第一幕に過ぎず、次の部でさらに詳しく述べられます。



Footnotes:

1 アル=マハディーは、逐語的に「道を開く者」を意味しますが、名称としては「神によって真実に導かれた者」を意味します。

2 スナン・アブー・ダーウード

3 カアバ聖殿の扉に最も近い角。この角には黒石が埋めこまれています。

4 マカーム・イブラーヒーム(アブラハムの立ち所)とは、彼がカアバ聖殿を建築する際に立っていたとされる石です。

5 「カルブ遠征」は、スナン・アブー・ダーウードにおいて、ウンム・サラマによって言及されています。

6 アッ=シャームとはシリア、レバノン、ヨルダン、パレスチナ、そしてイラクの一部を有する地域の総称です。

7 サヒーフ・ムスリム

8 ムスナド・アフマドにおいて、「ホラスターン」または「アスバハーンのヤハワディーア」として、その的確な場所が報告されています。後者はシャハリスターンと関連付けられます。

9 アナス・ブン・マーリクは、神の使徒が次のように言ったことを述べています。「偽メシアは、アスバハーンの7万人のユダヤ教徒たちによって従われるであろう。」(サヒーフ・ムスリム)

10 サヒーフ・ブハーリー。これに関する根拠は間接的なものです。ハディースでは、偽メシアの追従者たちが、彼を否定する男にこう問いただします。「お前は 我々の主を信じないというのか?」その後彼を殺して生き返らせた偽メシアはこう問います。「さあ、これでお前は私の言う事を信じるのか?」同じ典拠によ る、別の二つのハディースでは、預言者(神の慈悲と祝福あれ)はこう述べています。「実に、神の片方の目は盲目ではないのだ。だが、偽メシアの右目は盲目 で、その目は浮き上がった葡萄のようである。」また、このようにも述べています。「嘘つきの片目の男(偽メシア)について、民を警告しなかった預言者はい ない。彼は本当に片目であり、そして本当に、偉力ならびなく高貴であられるあなたがたの主は片目ではないのだ。」ここで示唆されているのは、たとえ彼がど んなことを主張しようとも、私たちは偽メシアと主とを混同すべきではないということです。

11 サヒーフ・ムスリム

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