生命を維持するための物質が分配されることにおける驚異
そして、それはあらゆる被造物に配分されるのです。アッラー(I)は仰りました:
-地上の全ての生物で、アッラーにその糧を依存していないものは何一つとして存在しない。かれはそれらの居場所も行き先もご存知である。全ては明白な書[1]の内に(記録されて)あるのだ。,(クルアーン11:6)
また、アッラー(I)はこうも仰っています:
-いかに多くの生物が、自らの糧さえ手中にしてはいないことか。アッラーこそがそれらと、あなた方に糧を授けて下さるのである。かれこそは全聴かつ全知のお方である。,(クルアーン29:60)
アッラー(I)は、この宇宙に存在する全ての被造物は対に創られたということを、示されています。たとえば天と地、昼と夜、生と死、喜びと悲しみ、太陽と月、動と静、暖かさと寒さ、善と悪、不信仰と信仰、などがそうです。動物界と植物界もその例に漏れず、その内のあるものはよく知られていますが、あるものはまだよく知られてはいません。アッラー(I)はこう仰っています:
-またわれら(アッラーのこと)は、全てのものを雌雄の対に創った。あなた方が(そのことにより)教訓を受ければよいのだが。,(クルアーン51:49)
これらの被造物の熟考は、アッラーへの信仰心を深め、増加させることにもつながります。そしてこれこそが、理知に恵まれた知的な人々の特徴の一つなのです。アッラー(I)はこう仰ります:
-あなた方はアッラーが天から雨を降らせ、それでもって色とりどりの果実を実らせられるのを見ないのか?また山々には白や赤、漆黒など異なった色の縞模様がある。また人々や動物や家畜もまた、それぞれ色が異なっている。実にそのしもべの中でも、知識ある者たちこそがアッラーを畏れるのだ。アッラーこそはこの上なく偉大でお赦し深いお方。,(クルアーン35:27-28)
またアッラーは、この宇宙のある生物に関して言及されていますが、またあるものには言及されてはいません。アッラー(I)はこう仰っています:
-大地から生えるものも、彼ら自身も、そして彼らの知らないものも、全て(の果実)を雌雄の対にお創りになられた、(いかなる欠陥からも無縁である)崇高なお方よ。,(クルアーン36:36)
この宇宙を発生させ、そして保護する、ある特定の力が存在するのは、疑念の余地のない事実です。そしてこの力は、以下に示すいずれかの場合でしかないのです。
1) 宇宙が勝手に存在したということ。これは不条理かつ明白な間違いです。というのも存在する全てのものは、何らかの原因によってしか存在させられないからです。
2) それが宇宙の内部にある何かであれ、あるいはそれ以外のもの(たとえば進化論など)であれ、宇宙が何かによって存在したということ。これは非論理的な仮説であり、正しい理性によって反論されます。というのも、物質はそれ自身と同じような物を創造することは出来ないからです。
3) 宇宙が、そこから隔離した外的な力によって創造されたということ。つまり、創造主アッラーがこの宇宙を創造したということ。これこそムスリムが信じているものであり、無神論者が疑念の渦に巻き込まれているものなのです。アッラー(I)は仰っています:
-無から生じたのか。あるいは彼ら自身が創造者だというのか?それとも(彼らが)天地を創ったとでもいうのか?いや、彼らの信仰は曖昧なのである。,(クルアーン52:35-36)