真の宗教(6/8):神の認知


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ここで、こういった疑問が浮かび上がります。「異なったバックグラウンド、社会、文化の人々が同じ唯一の神を信じることなど出来るのだろうか?」人が唯一なる真実の神を崇拝するにあたり責任が問われるようになるためには、かれについての知識が前提となります。最終啓示であるクルアーンは、全人類は皆、創造された時から本能的に唯一なる真実の神を認識する能力が備わっているということを教えます。


クルアーンの第7章(高壁章172−173節)において、神はアダムを創造した際、アダムの子孫全員を一同に存在させ、こう証言させたと述べます。

「われは、あなたがたの主ではないか。」

そして彼らは皆、こう答えたのです。

「はい、わたしたちは証言いたします。」


次に、神はなぜ全人類にかれこそが創造主であり、崇拝に価する唯一なる真実の神であるか証言させたかについて説明します。

 “これは復活の日にあなたがた(人類)に、「わたしたちは、このことを本当に注意しませんでした。」と言わせないためである。”(クルアーン7:172)


つまり、私たちは神の存在を留意していなかったと主張すること、また神のみを崇拝すべきであることを告げられていなかったと主張することが出来ないのです。神はそのことについてこう説明します。


 “また、「先に神々を崇拝したのはわたしたちの祖先で、わたしたちはその後の子孫です。あなたは、虚偽に従う者が行ったことのためにわたしたちを滅ぼされますか。」と言わせないためである。”(クルアーン7:173)

そのため、すべての子供は神への信仰を先天的に備え、本能的にかれのみを崇拝する傾向を持って生まれてくるのです。この天性の信仰と先天性はアラビア語で「フィトラ」と呼ばれます。

預言者ムハンマドは、神がこう仰せられたと報告しています。


 “われは正しい宗教の中にしもべたちを創造したが、悪魔たちは彼らを逸脱させたのである。”(サヒーフ・ムスリム)


また預言者はこうも述べています。

 “あらゆる子供たちはフィトラの状態で生まれてくる。しかし、その両親たちが子供たちをユダヤ教徒やキリスト教徒やゾロアスター教徒にしてしまうのだ。”(サヒーフ・ブハーリー)


も しもある子供が一人ぼっちで育ったのであれば、彼は独自の方法で神を崇拝するようになるでしょうが、あらゆる子供は環境による影響を避けることができませ ん。よって、神が自然の中に課した物理法則に子どもが従うのと同様に、子供の魂も神が創造主であるという事実に自然に従うのです。しかし、両親がそれとは 異なった道を子供に歩ませようとすると、子供は両親の意思に抵抗するには幼く、無力であるため、従うしかありません。そうした場合、それは慣例的に従って いた宗教であるため、神はその子が一定の年齢に達するまではそれについての責任を問われることも、懲罰を課すこともありません。

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