終わりに
私はこの小冊子を著するにあたり可能な限りの簡潔さを心がけたつもりなので、多くの詳細には立ち入りませんでした。私のささやかな願いは、この小冊子が大まかなイスラーム理解の一助となり、またイスラームについて更に学ぼうする人たちの鍵となることです。そして私は特に、イスラームの信徒ではなく、それを有益な宗教とも見なしてはいないような人たちにそうなって頂きたいと思っています。というのもそのような人たちはイスラームの敵による誤った情報を鵜呑みにしているのであり、そしてこのような敵は警告されなければならないからです。またこの小冊子は、真の幸福と成功がイスラームという教えを受容し、それを実践することにかかっているということを知らない人々へのものでもあります。私はこのような人々に対し、単に他人の意見を受容し、他人の欲望のために自らの運命を売ったりはしないように諫言したいと思います。アッラー(I)はこう仰っています:
-そしてもしあなたが地上にいる大半の者に従えば、彼らはあなたをアッラーの道から迷い去らせてしまうであろう。彼らは(誤った)憶測に従っているに他ならない。彼らは虚言を吐いているのだ。,(クルアーン6:116)
この世で人々が追従しているものは、審判の日には真っ先にその追随者を否認するような類のものであるかもしれません。アッラー(I)はこう仰ります:
-その時、追従されていた者たちは、追随していた者たちを見捨てる。そして(いずれの者たちも地獄の)懲罰を目の当たりにし、(そこから救われるための全ての)手段は断ち切られる。,(クルアーン2:166)
ゆえに可能な限り自分自身の考えに依拠し、アッラーが授けて下さった知性を用いて物事を推し量り、真実と虚偽を見極めて頂きたいと思います。そして偏った視点を捨て、何かを盲目に踏襲することはお避け下さい。アッラー(I)はこう仰っています:
-そして「来なさい。そしてアッラーが下されたものと、使徒に従うのだ」と言われれば、彼らはこう言う:「私たちには、私たちの父祖の伝統だけで十分である。」彼らの父祖は何も知らなければ、正しく導かれてもいなかったではないか? ,(クルアーン5:104)
望む者にはチャンスがあるでしょう。しかし真のイスラームの姿を紹介してくれる、適切な情報源を選んで下さい。イスラームに従っている、と主張する者全てがムスリムなわけではありません。またイスラーム的である、と主張する書物の全てが真のイスラームの姿を描写しているとも限りません。ゆえにイスラームを学ぶにあたっては、適切かつ有効な情報源をお選び下さい。預言者ムハンマド(r)はこう言っています:
「ユダヤ教徒は71の宗派に、キリスト教徒は72の宗派に、そしてわが共同体は73の宗派に分かれる。そしてただ一つの集団を除いては、皆地獄の徒となるのである。」そこで人々は言いました:「アッラーの使徒よ、その集団とは?」彼は答えて言いました:「私と私の教友がそうであったようなところの者たちである。」
イスラームについて更に多くのことを学ぼうとされる方は、この小冊子の最後にあるイスラーム組織にご連絡下さい。
アッラーこそが全てをご存知であられます。そしてアッラーが、預言者ムハンマド(r)とその一族とその教友たちの誉れを称揚され、また彼らをあらゆる中傷や汚名からお守り下さいますよう。