イーマーンの分類


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●   イーマーンの分類は:多岐にわたります。良きことを言うこと、行動によるもの、心の働きによるものが含まれます。

 

アブー・フライラ(彼にアッラーの御満悦あれ)はこう伝えています:「アッラーの使徒(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は言いました:“イーマーンはおよそ70、あるいは60に分類される。その内最大のものは「 ラー・イラーハ・イッラッラー(アッラー以外に真に崇拝すべきものはない)」の言葉であり、最小のものは道から有害なものを除去することである。そして羞恥心はイーマーンの1部門であるのだ。」(アル=ブハーリーとムスリムの伝承[1]

 

●   アッラーの使徒ムハンマド(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)への愛:

 

アナス(彼にアッラーの御満悦あれ)はこう伝えています:「アッラーの使徒(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)はこう言いました:“私があなた方の父や子、はたまた(その他)全ての者よりも愛しい者とならなければ、真に信仰したことにはならない。」(アル=ブハーリーとムスリムの伝承[2]

 

●   アンサール[3]への愛:

 

アナス(彼にアッラーの御満悦あれ)によると、預言者(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)はこう言いました:「イーマーンのしるしの1つは、アンサールへの愛である。そしてニファーク(偽信)のしるしの1つは、アンサールに対する憎しみである。」(アル=ブハーリーとムスリムの伝承[4]

 

●   信仰者への愛:

 

アブー・フライラ(彼にアッラーの御満悦あれ)は伝えています:「アッラーの使徒(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)はこう言われました:“あなた方は信仰に入るまで天国に入らないだろう。そしてあなた方はお互いに愛し合うようになるまで、信仰には入らないだろう。ではそれをすればお互いに愛し合うようになるものを教えてやろうか?あなた方の間でサラーム(挨拶)を広めるのだ。”」(ムスリムの伝承[5]

 

●   ムスリム同胞への愛:

 

アナス(彼にアッラーの御満悦あれ)によると、預言者(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)はこう言いました:「自分に欲するものを自分の兄弟(一説には自分の隣人)にも欲するようになるまでは、あなた方は本当に信仰したことにはならない。」(アル=ブハーリーとムスリムの伝承[6]

 

●   隣人及び客人を厚遇し、よいこと以外は話さないこと:

 

アブー・フライラ(彼にアッラーの御満悦あれ)によるとアッラーの使徒(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は言いました:「アッラーと審判の日を信ずる者は、よいことを喋るか、さもなくば黙っていよ。アッラーと審判の日を信ずる者は、隣人を厚遇せよ。そしてアッラーと審判の日を信ずる者は、客人を手厚くもてなすのだ。」(アル=ブハーリーとムスリムの伝承[7]

 

●   勧善懲悪:

 

アブー・サイード・アル=フドリー(彼にアッラーの御満悦あれ)は言いました:「私はアッラーの使徒(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)がこう言われるのを聞きました:“悪事を目にした者は、それを手でもって正せ。もしそう出来なければ、舌でもって正せ。そしてそれさえも出来なければ、心でもって正すのだ。そしてそれが最も弱いイーマーンである。」(ムスリムの伝承[8]

 

●   助言:

 

タミーム・アッ=ダーリー(彼にアッラーの御満悦あれ)によれば、預言者(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)はこう言いました:「“宗教とは助言である。”私たちは言いました:“誰に対する(助言ですか)?” (預言者(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は)言いました:“アッラーとその啓典と、その使徒、そしてムスリムの指導者たち及び一般の者たちに対する助言である。”」[9](ムスリムの伝承[10]



[1] サヒーフ・アル=ブハーリー(9)、サヒーフ・ムスリム(35)。引用はサヒーフ・ムスリムから

[2] サヒーフ・アル=ブハーリー(15)、サヒーフ・ムスリム(44)。引用はアル=ブハーリーから。

[3] 訳者注:マッカの信仰者たちが迫害を逃れてマディーナへ移住した際、当地で財や住居などを提供しつつ彼らを援助したムスリムたち。

[4] サヒーフ・アル=ブハーリー(17)、サヒーフ・ムスリム(74)。引用はアル=ブハーリーから。

[5] サヒーフ・ムスリム(54)。

[6] サヒーフ・アル=ブハーリー(13)、サヒーフ・ムスリム(45)。引用はムスリムから。

[7] サヒーフ・アル=ブハーリー(6018)、サヒーフ・ムスリム(47)。引用はムスリムから。

[8] サヒーフ・ムスリム(49)。

[9]  訳者注:イマーム・アン=ナワウィーのサヒーフ・ムスリム注釈によれば、「アッラーへの助言」とはかれへの信仰、シルクの回避、かれをあらゆる欠陥から無縁な存在として讃美すること、かれへの服従、かれへの愛など諸々のことを指しているという。実際のところアッラーはそのしもべからの助言などは必要とはされないが、ここでの「助言」という言葉はしもべ自身に向けてのそれを示している。また「その啓典」に対する助言とは、それがアッラーの御言葉であり、かれからの啓示であること、またそれが他のいかなる言葉にも似ておらず、いかなる者もそれに匹敵するものを創作出来ないことなどを信仰し、また正しい朗誦と畏怖の念をもってそれを読誦すること、熟読吟味しかつそれを訓戒とすること、それを学びかつ実践することなどを意味するという。「その使徒たち」に対する「助言」とは、彼らと彼らが携えて到来したものを信仰すること、彼らへの服従、尊敬、彼らの生き方や人格の模倣、その教えの布教、彼らの教友たちを愛することなどが含まれる。また「ムスリムの指導者たち」に対する「助言」とは、真実において彼らを援助し、服従し、穏和な手段をもって勧告し、忘れている事を想起させ、彼らのために祈願し、見捨てたりしないことなどが挙げられる。一方「一般の者たち」に対する「助言」とは、彼らを現世と来世における福利のために導くこと、害悪から守ること、無知を取り除いてしてやること、言葉と行いでもって援助すること、恥部を隠してやること、同情すること、騙したり嫉妬したりしないこと、自ら欲することを彼らにも欲することなどを意味するという。

[10] サヒーフ・ムスリム(55)。

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    07/05/2013 3817
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